徳島大学大学院医歯薬学研究部(薬学域)の難波康祐教授、理化学研究所(理研)生命機能科学研究センタータンパク質機能?構造研究チームの山形敦史上級研究員、白水美香子チームリーダー、公益財団法人サントリー生命科学財団生物有機科学研究所統合生体分子機能研究部の村田佳子特任研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻の寺田透准教授、京都大学大学院理学研究科化学専攻の深井周也教授らの共同研究グループは、イネ科植物が土壌中のムギネ酸鉄[1]を吸収する機構を、トランスポーター[2]の立体構造解析に基づいて解明しました。
本亚洲博彩十大网站排名_澳门足球博彩公司推荐【唯一授权十大网站】は、全陸地の約3分の1を占めるアルカリ性不良土壌[3]の改善に向けた、ムギネ酸[1]やその類縁体を用いた次世代肥料の開発に貢献すると期待できます。
【用語解説】
[1] ムギネ酸鉄、ムギネ酸、三価鉄
ムギネ酸は、「麦の根から分泌される酸」が名前の由来であるアミノ酸の一種。イネ科植物が根から分泌する天然のキレート剤であり、難溶性の三価鉄(酸化数+3の鉄)と結合したものはムギネ酸鉄と呼ばれ、水に溶けやすくする。また、二価鉄やコバルト、銅とも結合して水に溶けやすくすることが知られている。アルカリ性不良土壌の改善を目指した次世代肥料として注目を集めている。
[2] トランスポーター
生体膜に存在する膜タンパク質で、生体膜を横切って物質の輸送を行う。生命機能の維持に必須な重要なタンパク質である。
[3] アルカリ性不良土壌
pHが7以上のアルカリ性の土壌の総称であり、石灰質土壌や塩類集積土壌などが相当する。鉄分が溶けやすい酸性土壌とは異なり、アルカリ性土壌では鉄分が溶けないため植物が吸収できずに鉄欠乏となる。
【プレスリリース】植物が根から鉄を吸収する機構の解明ー不良土壌を改善する次世代肥料の開発に期待ー (PDF 899KB) ※無断転載禁止