L-05:PETイメージングによるセラノスティクスへの応用

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徳島大学シーズ<L-05>:ライフサイエンス、創薬 sdgs-03 sdgs-09
 

PETイメージングによるセラノスティクスへの応用
― 非侵襲的にがんを“見る”から“診る”へ ―

田原 強 准教授 先端研究推進センター バイオイメージング研究部門
キーワード PET、がんイメージング、セラノスティクス創薬
研究室URL http://www.tbis2013.net/
研究の概要
<日本のがん罹患リスクは、50%超。がん克服には早期発見?治療に加えがんの性質を知ることが必須>
 国民の2人に1人ががんに罹患する時代のため、抗がん剤の開発に関わる基礎研究に加え、早期発見、がんの性質を知る技術開発は、早期治療?抗がん剤の効果の予測に繋がり、がん克服において重要である。これまでのPET(図1)はがんを“見る”技術中心であり、“診る”技術はほとんど確立しておらず、喫緊の課題である。我々は、問題解決のため、“診る”PETイメージング技術の確立を目指している。

<がんの性質を可視化する技術確立を目指し、がん種特異的抗体医薬?ペプチド医薬のプローブ化>
 抗体医薬やペプチド医薬をPETプローブ化することで、非侵襲的にがんを発見すると同時に、がん細胞の性質を知ること、治療効果を予測することが可能となる。まず、抗体やペプチドにキレーター標識を行った後、64Cuや89Zrなどの金属核種をキレーターに結合させる方法により、ポジトロン標識化に成功した(図2)。64Cu標識抗体ならびに64Cu標識ペプチドの動態評価は、担がんモデルマウスにおけるがんPETイメージングにより行っている。
 
想定される用途と製品化?事業化イメージ

<Theranostics創薬への導出>
 本技術は、まずがんPETプローブとして臨床へ導出できる。また近年、1つの薬剤でがんの診断と治療を行なう事が出来る次世代型高精度医療システムTheranostics (Therapy + Diagnostics) が期待されている。抗体医薬やペプチド医薬のPETプローブ化は、正しくTheranosticsである。さらに将来的に抗体やペプチドにアスタチン-211を付加することで、がん特異的α線治療を行うことも可能となる。

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図1.セラノステイックス(PET利用)
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図2.抗体のPETプローブ化
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図3.抗体PETイメージングの一例
論文 Tsuyoshi Tahara et. al., Characteristic evaluation of 11C-labeled leucine analog, L-a-[5-11C]MeLeu, as an agent for tumor imaging by positron emission tomography. Mol. Pharmaceutics, Volume 20, Pages 1842-1849, 2023. DOI: 10.1021/acs.molpharmaceut.2c01069
Tsuyoshi Tahara et. al., A novel 11C-labeled thymidine analog, [11C]AZT, for tumor imaging by positron emission tomography, EJNMMI Research, Volume 5, Pages e45, 2015. DOI: 10.1186/s13550-015-0124-0

 

お問合せ先

徳島大学 研究支援?産官学連携センター
TEL:088-656-7592
E-mail:rac-info@tokushima-u.ac.jp

 

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