新規フロー分析法の開発 その2.振幅変調多重化フロー分析法
本研究室では,フロー分析に周波数解析の原理を取り入れた新たな多成分(または多試料)分析法「振幅変調多重化フロー分析法」Amplitude Modulated Maltiplexed Flow Analysisを提案した (H. Tanaka, et al., Talanta, 77, 576 (2008))。ここでは,各試料の流量を互いに周波数の異なる正弦波あるいは三角波で制御し,第3の流路から供給される試薬溶液(あるいは希釈液)と合流させたのち下流で測定を行う。検出信号は異なる周波数で変調された各試料中の目的成分情報を多重に含む複雑な波形となるが,これを周波数解析(高速フーリエ変換)し各制御信号の寄与へと復調することで,各成分の濃度が求められる。周波数解析窓を時間と共に移動させることにより,実時間での経時測定も可能である。
現在,Fe2+とFe3+の同時定量,超微量リンの定量(ロックインアンプ検出器を利用)について検討を行っている。