研究概要
創薬理論化学分野は、2018年9月に立川正憲が教授として着任し、新研究室を発足させました。2020年4月には、稲垣舞が助教として着任し、研究教育体制を一層強化しました。国際的に通用する研究の実践を通した教育を通して、自らアイディアを生み出し、周囲との協調のもとに自ら行動することのできる人材の育成を目指します。現在、研究の主戦力は博士前期課程の大学院生と学部生ですが、10年後には若い芽が大きな大木に育ってくれることを願っています。
今後日本は少子高齢化が一段と進むことが予想されます。その中で、脳疾患治療薬の開発スピード加速と、妊婦を取り巻く医療問題の解決は急務です。脳疾患治療薬の臨床試験成功率を挙げるためには、「脳には関門があるので、開発した薬が脳に届かない」という問題を解決する必要があります。子を産み育てるうえでの保健環境をよりよいものにするためには、早産の治療法の開発や妊婦さんの薬物投与設計理論の確立は必須です。そこで研究では、「脳関門創薬」「胎盤関門創薬」をキーワードとして、創薬理論?投薬理論の構築を目指します。
<主な研究テーマ>
- タンパク質の精密定量分析に基づくヒト脳関門輸送機構の解明と中枢疾患治療薬の分子設計
- ヒト胎盤関門輸送機構の解明に基づく周産期疾患の治療法と妊娠期の薬物投与設計法の開発
- マイクロ流体モデルに基づくヒト生体関門の再構築と疾患薬動力学研究への応用
- 生体関門輸送の時空間制御型人工細胞への挑戦