第71回日本栄養食糧学会が5月15日から17日にかけて開催された。開催場所は高松市。徳島からは、JRを用いれば1時間くらいで行けるし、学会会場も(従来の費用を安く上げるための)大学ではなく、高松駅すぐ近くのサンポート高松で行われたので(交通機関を使用しなくても)ホテルから徒歩10分ほどたどり着き、近年になく便利な学会であった。

学会では、ランチョンセミナーという企業さんが講師の先生の講演代を支払い、参加者には無料の弁当を振る舞う昼食会がある。17日は、カゴメ株式会社共催の「“ナトカリ習慣”を支える産学の取り組み」に参加した。その講演の中で、日本栄養大学の武見ゆかり先生の「住民や職域集団の食生活改善に向けた尿ナトカリ比の活用」を興味深く拝聴した。

日本人の塩分摂取量は遠い昔に比べ減ってきているが、ここ10年でみてみると横ばい。食塩の食事摂取基準は成人1日当たり男性7.5 g, 女性6.5 gである(現実の日本人の摂取量は、成人1日当たり9.6 g)。“ナトカリ”とは”Na”と”K”の比率である。”Na”は塩のNaClの片割れナトリウム。”K”はカリウムで野菜や果物に比較的豊富に含まれている。高血圧の予防には”Na”は少なく、”K”は多く取ることが重要だと講義でも説明している。しかしながら、”Na”や”K”をどのくらい摂取しているのか把握することは現実的には難しい。摂取した”Na”や”K”の多くは尿中に排泄されるので、”Na”と”K”量の比率を測定することにより、両者のバランスを評価するのがナトカリ比である。

それでは、塩を沢山摂取しても野菜や果物を食べカリウムを多く取ればいいのか? 塩分含量が高い中毒性の高いラーメンを食べても、夜に野菜をたっぷり食べれば大丈夫なのか? 野菜ジュースを水代わりに飲めばいいのか? こんな疑問を問いかける人も多いかもしれない。武見先生の1枚のスライドは、その答えを示していた。

ある集団でナトリウム摂取量とカリウム摂取量を測定し、血圧に対する影響を観察した。ます、ナトリウムの摂取量で集団を“少ない”、“普通”、“多い”の3群に分類した。結果は、摂取量が、少ない、普通、多い順に血圧が上昇した。つまり塩分摂取量が多いと血圧が高くなる。続いてナトリウム摂取量が“少ない”、“普通”、“多い”群内でカリウムの摂取量と血圧との関連を調べてみた。するとナトリウム摂取量が“普通”および“多い”群内ではカリウムの摂取量と血圧との関連はなかった。ナトリウム摂取量が少ない群では、カリウムの摂取量が多い群で少ない群に比べ血圧は低下していた。すなわちナトリウム摂取量が中程度以上であれば、カリウムを積極的にとっても血圧を下げる効果は限定的だということである。

今回ランチョンセミナーに提供された弁当の食塩量が6 gだったことを武見先生は講演中に嘆いていた。2番目の演者も「塩分の過剰摂取は、水を引き寄せますので次の日には血圧が上がっているかもしれません」。学会の翌日、血圧を測定してみると確かに普段より高くなっていた。2日連続でランチョンセミナーの弁当を食べ、夜も弁当、加えて高島屋で味の濃そうな鯛のあら煮も購入したのが原因かもしれない。明日からは、(平日の)ルーチィンの昼飯は、豆腐には醤油の代わりにオリーブオイル、納豆には付属のタレの代わりに酢を加えて食するように心掛けたい。

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