工業会会員の皆様の中で企業の取締役や役員等リーダーシップを執る立場にある皆様方と工学部執行部(平成28年4月1日の改組により理工学部と生物資源産業学部)や学科長(コース長,系長)らで構成される「工業会T&E 会」が2008年度に設置され,10年以上経過しました。T&E とは「Top and Executive」を意味しており,その設立の趣旨は,相互に連携を保ちつつ,本学の研究や教育の水準を引き上げるような有形無形の協力や助言を賜りながら,一方で会員の皆様方に本学の情報を提供させていただく点にあります。2021年度の取り組みについて報告いたします。
昨年度は,新型コロナ感染症の拡散拡大防止のため学生のための「就職支援セミナー」をやむなく中止しました。本年度は,2022年2月9日(水曜日)に理工学部が主催し,工業会館メモリアルホールにて対面での開催を予定していましたが,オミクロン株による第6波の新型コロナ感染症の拡散状況から対面実施はできなくなり,オンラインにて開催致しました。先輩から後輩に向けての貴重なアドバイスをいただくとともに学生からの様々な疑問に答えていただき,学生の今後の進路において大変参考になる良い機会になりました。その後,理工学部執行部と懇談を行い,社会から見た本学の教育に対する提言もいただきました。
就職支援セミナーは,教職員?学生約40名が参加して開催されました。黒田憲二様(電気工学科1986年卒,1988年修士修了,鹿島建設株式会社設備設計グループ副部長,第29回電気設備学会賞(2018年)受賞)による「建設会社の中の電気技術者~こんな道もあった~」のご講演と質疑が行われました。電気系のメジャーな会社ではなく日本最大手の建設会社(ビルや工場等の電気設備設計業務)を就職先に選ばれた理由や,電気系の資格のみならず,1級建築士,設備設計1級建築士,技術士(総合技術管理)等多数の取得困難な国家資格等の取得理由や取得方法等について分かりやすく説明していただきました。また,タイの2011年の洪水被害の電気設備の復興における課題とその解決策や日常生活や働き方など様々な面における日本と外国の違い等について,体験に基づいて詳しくお話しいただきました。さらに,2022年度には技術士を取得している本学卒業生で構成される徳島大学技術士会が発足される予定であり,技術士の役割と取得方法等についても詳しく説明していただきました。
最後に,本セミナー開催に関して,ご支援くださった関係各位にお礼申し上げます。