平成28年度の「工業会T&E 会」の取組について報告いたします。T&E とは「Top and Executive」を意味しており,工業会会員の皆様の中で企業の取締役や役員等リーダシップを執る立場にある皆様方と工学部執行部(平成28年4月1日の改組により理工学部)や学科長(コース長,系長)らで構成されています。その設立の趣旨は,相互に連携を保ちつつ,本学の研究や教育の水準を引き上げるような有形無形の協力や助言を賜りながら,一方で会員の皆様方に本学の情報を提供させていただく点にあります。
生物資源産業学部からは卒業生をまだ輩出していないので,本年度は理工学部が主催し前年度に引き続いて,学生のための「就職支援セミナー」を開催致しました。その後,理工学部執行部と懇談を行い,社会から見た本学の教育に対する提言もいただきました。
今年の就職支援セミナーでは米国の大学等でよく行われているモチベーショナルスピーカーとしての講演,つまり自分の波瀾万丈な人生を紹介し自分の経験をもとにして学生に勇気やチャレンジ精神を持ってもらうための講演をお願いしました。まず工業会近畿支部連合会会長代行で前和歌山支部長の山路澄生様(応用化学科S51年卒,紀和化学工業㈱)が卒業後の工業会活動への参加の意義を語ってくださいました。その後,石橋聡
様(情報工学科S55年卒,修士57年修了,NTTアイティ㈱取締役)から「あれから35年,これから35年」という演題で就職後のご自身の波乱万丈な人生と処世術を紹介され,学生に勇気を与えていただきました。田中雅人様(応用化学科S54年卒,王子コーンスターチ㈱部長,工業会関東支部副支部長,すだち会(化学系)会長)からは「特許を書くことの大切さと特許について」という演題で,特許の重要性を学生に説いていただきました。前田好徳様(化学応用工学科H11年卒,修士13年修了,セイカ㈱副センター長)からは「化学業界へ就職を考えている方へ」という演題で,就職先として地元企業を選んだ理由,就職後さまざまな資格を取得したことやご自身の1週間の生活スケジュールの紹介など,就職を控えた学生にとって有益なアドバイスをいただきました。
工学部は理工学部理工学科という一学部一学科体制となり,第二期生を無事迎え入れることができました。学年進行に伴って3年後の大学院改組を計画し,それに向かって現在準備しているところです。今後とも,様々な面で工業会会員の皆様方に協力していただくことが不可欠と思われます。誌面を借りてお願い申し上げる次第です。また,本セミナー開催に関しては,ご支援くださった関係各位にお礼申し上げます。